ファウストVol.5

 購入しました。
 舞城のマンガとか竜騎士07のインタビューあたりを餌に(おい)、とりあえずY氏に読んで貰いました。とりあえず編集長の書く文章が他のどんな作家の作品よりも熱いことが分かってもらえて何よりです。あとファウストの小説部分はほんまIKKI的というか。セレクションは悪くないんだけど、作家のアベレージのような作品ばかりのような気がします。別に地雷って程出来が悪いわけじゃないんで、知らない人の作品を読む分には悪くないんですが。実際、僕はTAGRO西島大介元長柾木あたりの人はこの雑誌で初めて知って他の作品にも興味を持ったわけで。
 今回の特集は上遠野浩平竜騎士07ということで、過去にラノベでぶんぶんいってた(OUSF用語)人と今まさにぶんぶんいってる人という2人のビッグネームという非常に読み応えのある内容です。上遠野は残念ながら知らないんでまた今度読むことにします。
 で、問題の竜騎士インタビューを読んでみたわけですが…
 「こんなに書いちゃっていいのか?」
と思いましたね。ひぐらし完結してないんだから、そんな作品の核心に触れるような真似はよせと。いやでも核心に触れないとインタビューの意味がないしなぁ…と1人で悶々してます。これは、純粋にひぐらしを楽しんでる(怖がってる)人は読んじゃだめですよ。きっと。
 うまいこと書くのが難しいなぁ… トリックっていうんじゃないんですけど、作品の核に触れること自体がネタバレになってるわけで。勘のいい人なら綿流しあたりで気付いてると思うんですけど。まあOUSFの人くらいになると知ってるっぽいんで(Y氏なんか「キャラの既知外っぷりを楽しむもんやん」とか言ってるし)こんなに慎重に書く必要はないんでぶっちゃけますが、2chとかネットの盛り上がり方を見るに、やっぱり大半のユーザーは純粋にホラー的な得体の知れぬ存在に恐れたり、ミステリー的な犯人探しをやってると思うんですよ。インタビュー内でも「ナタを持った女の子が追っかけてくるのが怖かった」みたいな感想をよく聞くが本当に怖いのはそこじゃない、みたいなことを書いてます。
 ところで、僕がインタビュー内で最も興味深かったところは、既存のノベルゲームとの差異について言及されてるところです。世間ではフラグを全部立てることが目的のクリックゲーになってて、たくさん選択肢を選んだ人がゲーマー的には偉いってことになる、というくだりは「なるほど、そうだったのか!」と思いました。手を動かすんじゃなくって脳を動かせみたいなことも書いてましたね。
 このくだりからちょっと思ったんですが、ノベルゲーってつまり今のコンシューマーRPGと大して変わらないですよね。何十時間も単純操作を続けることだけがゲームのやりこみに繋がるという構図は、まさにRPGの際限ないLv上げと同じではないでしょうか。更にMMORPGにまで話を広げますが、つまり日本のゲーマーの大半は単純作業に時間を費やすことに悦びを見出す種族なんですかね。それに自分好みのパッケージ(絵とか話とかの、いわゆる「ゲーム外」の部分)がくっつけば何でも構わないと。ゲームの流行りを見てるとなんかそんな感じがします。Lvが何万もある黒星系の絵のゲームとか、二次元絵であることだけがウリのネットゲーとかね。(STGとか格ゲ音ゲとかのアーケード系はまた別のゲーマー層になりますね。技術を磨くことが目的になるから。この考え方からいくと、僕は普段韓国産ネットゲーをこき下ろしてますが、別に許容できるんじゃないかと勘違いしてしまうことがあります。つまり、Lvを上げただけでも勝てない、テクを磨いただけでも勝てないのでその両方のゲーマーとしての素養が必要となるから二重に楽しんでるし、両者が対戦しても割といい試合になる。ポケモンもこれに同じ。僕やY氏みたいな人はLv上げに悦びを感じないタイプなんで、この過程を馬鹿馬鹿しいものとしか捉えられないため、ROは半分しか楽しめないということになります。)
 ファウストを、しかもひぐらしのインタビューを読んで一番感動したのがそこかよとか言わないでください。あーやっぱ僕はもう「ゲーマー」じゃないのかなぁ…
 そういや、OUSFのOBの人も似たようなこと言ってた気がするなぁ…。RPGでLv上げまくるのがどこが楽しいんだ、俺は低Lvクリアを必死に頑張ったみたいな。そっちは確かに感心しました。まあ、このへんは好みの話なんでLv上げが悪いとか言ってるんじゃないです。
 あと、渡辺製作所TYPE-MOON→7thっていう流れについての話も面白かったです。
 といった感じに、「ひぐらし」そのものよりも今のゲームとか同人とかその辺のオタク系メディアを取り巻く環境について熱く語ってる感じのインタビューなんで、興味のある方は是非。